「にしてもやっぱヒマだなぁ・・・」
チャンに禁煙を言い渡されて30分。
二人に隠れてこっそり吸おうにもここは風上だし、さっきの件でタバコとライターを八戒に取り上げられた。
ったく、灰皿が見当たらなかったら空き缶が灰皿になるのは当たり前だろ?それなのに・・・
「はぁ〜・・・」
「・・・随分退屈そうですね、悟浄。」
「あぁ?」
誰かサンがオレの楽しみを取り上げちゃったからナ・・・何て事は口が裂けても言えない。
チラリと声の主の方へ視線を向ければ、いつの間に持ってきたのか小さな文庫本を寝転がりながら読んでいる。
さすがに仰向けじゃねェな。
「お前いつの間にそんなモン持ってきてたんだ?」
「お茶を持ってくる時、居間にあった本を持ってきたんですよ。」
視線はその文字を追っていて、こちらに顔が向く事はない。
「ちゃっかりしてるゼ。」
はぁぁー・・・っとタバコが吸えないストレスを思い切り吐き出したら、目の前にタバコとライターが差し出された。
「!?」
「もしタバコを吸うなら室内でお願いしますね。」
「いいのか?」
ガバッと起き上がって八戒の気が変わらない内に奪い取る。
コレさえ手に入れば何処で吸うのもオレの勝手よ♪
「あ、あともう少し静かにして下さいね。」
「・・・あンでよ。」
折角の浮かれ気分に水を指されて自然と眉間に皺がよる。
だがそんなオレの事など気にもせず、八戒は隣で空を見上げているチャンを無言で指差した。
「・・・・・・っ!」
「これだけ暖かければ・・・眠くなりますよね。」
読んでいた本を閉じて起き上がった八戒は、ジープの側に置いていたもう一枚のタオルをそっとチャンの体にかけた。
「いつ・・・寝た?」
「ついさっき、貴方が退屈を訴え始めた頃ですよ。」
気持ち良さそうに両手を頭の上に伸ばして、ニコニコしながら寝ているチャンは凄く幸せそうだ。
おかしいな、ついさっきまでヒマでヒマでしょうがなくってタバコでも吸わなきゃやってられねェって思ったのに・・・チャンがこうして寝てンの見てるのは、全然退屈じゃねぇわ。
「タバコ、吸わないんですか?」
「・・・今は止めとく。」
「そうですね。」
「んで、お前の方こそ読書はいいのか?」
チャンの横にもう一度寝転がりながら、ニヤリと笑いながら八戒を見る。
すると八戒もオレと同じようにチャンの隣に寝転がりながら、予想通りの台詞を吐いた。
「今は、止めておきます。」
「・・・そーだな。」
それから5分後。
チャンの寝息に引き込まれるように、オレの瞼もゆっくり下りていった。
オレが目覚めた時には、既に太陽が沈みかかっていて・・・隣のオンナは消えていて、まるで太陽が消えたかのように肌寒い感じがした。
同じように隣で横になっていた八戒の姿は既になく、オレの体にはさっきまでジープが使っていたタオルと思われるものがかけられていた。
すぐに家に入ればいいのに、この時のオレは何故か夕日が沈むまでその場を動く気がしなかった。
お星さまにお願い企画・・・だったと思われます(笑)←おい。
そのままお題に使っていたので発掘し、多少手を加えました!
NO:21 藍河華耶サマ『ヒロイン挟んで3人でごろ寝』という事で、前半妙にほのぼのしているのに何故か最後がしんみり・・・。
こちらは悟浄バージョンです、外でヒロインが帰ったのを寂しがっています(おいっ)
本当は悟浄だけにしようと思ったんだけど、やっぱりこのお題は二人分欲しい気がして八戒の分も書きました。
そういえば悟浄の禁煙タイムは30分が限度みたいですね。
妙にひとり言や呟きが多いんだもん(笑)
口寂しいから喋りだしちゃうんでしょうねぇ・・・多分?